渡り鳥-台湾編- 続き

前回のおさらい
・どうやら今夜の会場は使える
・PA/STAFFはイベント内容をほとんど把握してない
・白人PA君はずっと酒を飲んでいる※仕事中
・課題だったサラウンドDJパフォーマンスのセッティングはうまくいった
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その他台湾渡航記はこちら→ 入国編出国編

DJ Jimiが無事セッティング、チェックを終えホッとしたのもつかの間白人PA君が「おい、うちのスピーカーシステムにもつなげばもっと低音ががっつり出るぜ!」とさっきまではあんなにつまらなそうに仕事(with ビール瓶 2本目)してたのに、エンジニア魂に火がついたのか余計なことを言い出してきた…いつもサラウンドDJをやるときは、会場にスピーカーとパワーアンプを持ち込んでいる。つまり、会場常設のシステムは一切使わずにパフォーマンスをしているのである。

Jimiは「提案はありがたいが、そのセットアップをする時間がないから大丈夫だ」と伝える。そもそもインターフェースから出せる数に限りもあり物理的にも少々厄介なことだった。しかしPA君はPC画面を覗き込み「あと2チャンネルくらいサクっと追加できないか?」と。さすがにそれは全部のミックスを変えなければいけないので私から「いや、今回はこのままで。その作業をやるには時間が足りない」と伝える。少しがっかりしたような顔をしたかと思ったら、今度は現地で機材を調達してくれた台湾人のエンジニアに向かって「その卓のモニターアウトから音くれよ、いいだろ?」と引かない…正直このやり取りを続けるのが面倒くさなっていたが確かにJimi専用に用意したPA卓からなら出来るなと思い早速試してみた。

おお、低音出る出る♪ ブィーンブィーン♪

このやり方は日本ではやってないからテンション上がる一同。白人PA君はご満悦のご様子であった(良いやつなのか、嫌なやつなのか 苦笑)。そんなこんなをしていたらManic Sheepのメンバー到着。着くなりセッティングをしてもらい、すぐリハ。ステージ上のメンバーが白人PA君へ一言二言話しかけたら「言葉分からないから英語で話してくれよ!」となんともな返事…(ここはどこなんだ…)まぁ、そこは彼らもタフでみんな英語でガンガン話し出す。まぁこの時点でリハの空気は良くない 苦笑。ドラムの鳥人が「僕のモニターに全部の音を返して欲しい、ドラムの音も!」と言おうものならPA君は大声で「なんだって!?ドラムにドラムの音を返すだって!?マジかよ!?」…お前が「マジかよ!?」である。

さらに驚いたことにリハーサル中だというのに白人PA君がいなくなったのである。自由すぎるだろアイツ。ステージ上のメンバーもお構いなしで自分たちでガンガン進めてとっととリハーサルを終えてしまった。もうみんな勝手にしてくれ。

PA君がいなくなったもんだから、仙台から今回参加してくれたDJのえどん君とユヤマ君と3人で自分たちの使うCDJとMIXERのセッティングを始めた。機材は万国共通なので特に困ることはないが、CDJ2台とも電源ケーブルがついていなかった。さー、困ったぞと。PA君いないからケーブルのありかが分からない。START時間は刻一刻と迫る。もうそこらじゅうに転がってる機材やらケーブルケースをひっくり返してなんとか必要なケーブルを発見。他の店員に「白人PAを大至急呼び戻せ」と伝言。程なくして戻ってくるも「ん?どうした。なんかあったか?」くらいの感じ。しかもさっきリハーサルを終えたドラムの鳥人とモニターの確認を始めてしまうので我々は一向に音を出すことができない状態。しかも、店員の知り合いみたいなヤツがゾロゾロ入ってくる。待て、まだ準備すらできてないんだよ!ここら辺からこの状況が面白くなってきたのである。

-続く-