渡り鳥 -台湾編- その1「話が全く伝わってないぞ…」

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2017年1月14日 台湾・台北市 Triangleでのイヴェントは我々の不安をよそにOPEN直後からゾロゾロと人が集まり始めた。内訳はアジア系が4割、白人が6割といったところでしょうか。果たして、日本人の楽曲のみのDJでどこまでいけるか・・・

「んなこと気にしてもしょうがねぇし、今更関係ねぇか 笑」

開き直るしかなかったのである。

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我々は18:00頃に会場周辺に集合。それぞれ別行程で現地入りをしたので、そもそも全員揃うのかすら怪しかった。店の入り口に出してあった看板を見ると我々のイヴェント名がちゃんと記載してあった。とりあえず、これで今夜我々のイヴェントが開催できることを確認した。まぁ、開場の時間は間違っていたが…。これくらいは気にしてもしょうがないレベル。

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現地のコーディネーターの到着を待って会場に入る。と、言っても誰も店内にはおらず爆音でBGMが流れ続けていた。この時点で少し嫌な予感はしていた。しばらく店内をウロウロしていると台湾人の店員と白人の店員が登場。特に挨拶もなく、我々の様子を伺うだけであった。

フロアは当初正方形だと聞いていたのだが、店名にある通り「Triangle」そう三角形だった…そこで、いかにサラウンドの効果が出しやすいレイアウトを作るかが急務であった。フロアにある椅子やらテーブルを移動し、なんとかスペースを確保。多少いびつな形であったが、それぞれのスピーカーの音量差をつけることで対応しようと言う作戦を取った。

次にステージに目をやると、あれ…テーブルにCDJが2台とミキサーがポンと置いてあるだけの状態。当日は台湾のバンド”Manic Sheep”のライヴも予定していたのだが、バンド用の機材が何一つ用意されていなかったのだ。「マズイ…バンドが出ることが伝わっていないのか、忘れているかのどちらかだ」と直感的に把握。

まず、DJ SETをフロアに降ろそうとするとビール瓶片手の白人が「ん?どうした?」と不思議そうに聞いてくる。なるほどコイツがPAエンジニアだと認識して「この状態ではバンドが演奏できないから、DJはフロアでやる」と伝えると「あっそ、分かった」とあっさり承諾。よし、こうなったら向こうが何か言ってくるまでこちらでドンドン作業をしてしまおうと決めた。合わせて、「バンドがステージで演奏するから準備をしてほしい」と伝えるとダラダラと作業を始めたのであった。

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そんなことをしているうちに現地で手配をしていた追加機材が届く。この手配もかなりの苦労を要したとJimiから聞いていたので、現物を見るまでは全く安心が出来なかった。しかし、我々の必要な機材は完璧に揃っており一安心(現地に入って初めてホっとしたと思います)。すぐさま設営に取り掛かる。機材を納入してくれた台湾人のエンジニアは素早くセットアップし始めると例の白人PA君が「ちょっと待てよ、そんなアンプ類の電源取ったら容量オーバーで店の電源落ちちまうよ」とえらい剣幕でいい始める。しかし、台湾人エンジニアは「大丈夫だ、そんなに容量食わないから。電源コードこれな、ヨロシク」と我関せず。その後もやれ「容量はどうだ」「いやそうじゃない」と軽い押し問答がありつつも、白人PA君が店の配電盤と睨めっこしながら「ここなら大丈夫だ」と一件落着。

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すぐさま台湾人エンジニアから「音量の調整がしたいから、すぐにPCをセッティングしてくれ」と要請があった。慌ててJimiがブースで作業をし、回線の確認をするとサクっと音が出た。いや、本当に一時はもうダメかなと思ったが何とかサラウンドDJをやる環境が整ったので気分は「もう今日の仕事は9割終わった」気分でいたのだった…(続く)